シンプルさゆえにこめられた熱さ

 死神と人間の契約が当たり前になっている世界。死神は人間の死後に不要になった霊力をもらう代わりに、人間が生きている間のサポートをしてくれる。そんな世界で、エロ介と呼ばれる加賀良介は、学校帰りの道で、雨に濡れる少女に傘を差し出す。
 色々あって家に連れ帰ることになった少女リサラは、家につくなり良介に折れた剣を突き刺した。冒頭で物語はバッドエンドと思いきや、リサラはエリートの死神で、突き刺した剣グラムは、リサラが人間界に居続けるために必要な霊力を良介から吸い取るための媒介だったのだ。
 リサラが人間界に来た目的、特異者と呼ばれる霊力の高い人間を探す協力をさせられることになった良介だが、リサラに霊力を吸い取られると彼の活力の源であるエロ魂も吸い取られてしまう。自分のアイデンティティであるエロ魂を消費させられ活力を失いかける良介だったが、彼は普通の人間と違い、あることをすると一気に霊力を回復させることができたのだ。

 ラブコメ要素を絡めつつ、ベースにあるのはエロとフェチということで非常に分かりやすい。物語の展開はよめてしまうかもしれないが、シンプルさゆえにこめられたエネルギーが熱い。

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橘ぱん作品の書評