いつまでも古めかしくならない構図

 初版は10年以上前だが、どうして戦う少年と少女という構図は古めかしくならないのだろう?

 軍事組織ミスリルに属する軍曹・相良宗介は、普通の高校に転校し、秘密裏に千鳥かなめという少女を護衛する命令を受ける。ソ連が秘密裏に行っている人体実験と関連して、彼女が拉致される可能性があるらしい。
 宗介の軍人としての実力は、幾多の戦場を生き残ってきた事実が示す通り、わずかの懸念も抱く余地がない。しかし心配なのは、彼が普通の生活を送ったことがないこと。そしてその懸念は現実となり、かなめが通う高校と彼女の生活に波乱を巻き起こす。
 そんな生活が日常になって来た頃、修学旅行に向かうかなめに恐れていた魔の手が忍び寄って来る。宗介は彼女を守りきり、再び日常の生活を手に入れることが出来るのか?

 かなめに潜在する能力とミスリルの超科学力との関係、アーム・スレイブという人型兵器による戦闘、宗介が日常に巻き起こす騒動と、見どころと伏線はたくさんある。先の長い物語の始まり。

   bk1

   
   amazon

   

賀東招二作品の書評