理解がダウンすると交喙じゃちょっと弱い

 星霧交喙と一緒に月見月の別荘に拉致された都築初。その別荘には、いつも初をイジる理解だけではなく、彼女の世話係のメイドさん水無月沙耶、月見月の情報屋にして別荘の主である久遠、同じく月見月の暗殺者である真理たちがいた。
 プライベートビーチで過ごす時間も束の間、別荘の地下に隔離されるもう一人の異常者、月見月悪夢が関わるとき、迷宮のような別荘を舞台とする事件が始まる。

 今回は、殺人衝動を引き起こすウィルスに感染しないようにするという名目で、登場人物たちがバラバラに隔離され行動しているうちに犠牲者が生まれる。そして、事件を一瞬で解決する能力があるキャラたちは、体調が優れなかったり、事前にばらされて対策を取られたりしていて、役に立たない。
 犯人の目的は何か、本当に殺人衝動ウィルスは存在するのか、裏切り者は誰なのか?そんな事件を解決した後には、次なる本物の異能者の存在が明らかになる。

 当初にあったゲーム的要素は薄れて、クローズドサークルでのミステリー的な展開になっている。しかも、理解の活躍する場はあまりなく、初くんが一人でうろちょろする感じ。
 こんな感じなので、ツッコミ役として初が生かされるシーンがあまりない。理解が出られないなら交喙が天然でボケ倒すとか、共演者がいた方が初くんは生きるのにと感じた。

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明月千里作品の書評