才能は無いけど自信満々な人と孤独な神さま

 詩人を目指すといって他に何もしない大学生の柏木絆は、大学の裏山で遺跡を発見する。その遺跡にいた少女と出会い、彼女の詩才に驚嘆した柏木は、行くところがない少女を騙し、自分の弟子と称して、彼女の才能を利用しようとする。
 その少女、デシ子との生活も柏木視点では上手くいき、使いきれない金を手に入れた頃、彼の前に透という女性が現れ、ひとつの神話を語り始める。それは、一匹の猿と、それに言葉を与えた神様の話だった。

 色んなものにくじかれて来たのに、じいさんの言葉を胸に堂々とダメに生きる柏木。それが予想外の幸運を手にしながらも、その手段の後ろめたさに後悔を抱えたりもする。いたって普通の人間の姿がある。
 繰り返される過ちの歴史と、それを自分の手で終わらせようとする一人の人間、そしてその結果として引き起こされる世界の終末。その事態の一端を担うことになった柏木は事態を打開することが出来るのか。
 読んでいると落ち込んだり共感したりダメだなと思ったりするかも知れない。でも、基本的にダラダラした感がある気がするので、途中で飽きる可能性もあるかも知れない。

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おかもと(仮)の書評