このライトノベルがすごい!文庫

もう一人の当事者の物語

テラノ・ユイガと小日向祭が出会い、互いの秘密を共有する関係となった出来事の中で、ユイガがレベル4のIPI配信者であるがゆえに犠牲になった少女が一人いた。自殺未遂をしてしまった彼女の名は羽田夕菜。 これまでの、なるべく人と距離をとる姿勢から自…

相手に伝えるということの重要性

他のコトモノの物語を詠唱する能力を持つムジカを宿した少女、名瀬由沙美は、ロゴたちの暮らす施設くるみの家に引き取られることとなった。「た」を認識できないコトモノを持つ少女、滝田たつねなど、くるみの家に暮らすコトモノたちにも受け入れられた由沙…

とりあえずもてたい

デシ子とは義兄妹としての関係を再確認した柏木だが、相変わらずの生活をつづけていた。そしてこんどは、夏という季節のせいもあって、女にもてたいと行動を開始する。 手始めはふだん学校で会う女たち。講義で席がとなりになるいねむり女や、たばこ部屋で会…

言いがかりの罵倒が快感に変わる?

入学初日の校門前で、沖田善一は明華武瑠からドロップキックをくらい、鎖骨を折られてしまった。そんなことがあれば二度と関わろうと思わないのが普通だろうが、いまでは日々武瑠に虐げられながらも、毎朝お弁当を作ってあげるし、友だち作りまでサポートし…

才能は無いけど自信満々な人と孤独な神さま

詩人を目指すといって他に何もしない大学生の柏木絆は、大学の裏山で遺跡を発見する。その遺跡にいた少女と出会い、彼女の詩才に驚嘆した柏木は、行くところがない少女を騙し、自分の弟子と称して、彼女の才能を利用しようとする。 その少女、デシ子との生活…

どうでも良いところと、どうでも良くないとこ

横浜港の一角にある倉庫で、マウスは倉庫番をしている。とは言え、実際の管理はAIがやっているので、彼の仕事はAIの相手をするのみ。家に帰れば、マウスにべったりの姉が待っている。 そんな毎日に紛れ込んできた異分子、佐治まことは、かつての恩師の娘だ。…

自分をさらすことで他者を満たす、あるいは自分を証明する

ネットで様々な情報を手に入れられる様になって久しい時代。他人の秘密を探り出すことに人生を捧げ、それが満たされないと禁断症状として自傷他傷に走るIPI症候群の存在が社会問題となってきた。その混乱を防止するため、政府はIPI配信者という存在を合法化…

自分にとっての真実の世界

27年前から一般に認知されるようになった、世界に対する認識が他者とは異なる少年少女の存在。例えばそれは聴覚で世界を視る人々であったり、数字で世界を理解する人々であったりする。彼らは自身を規定する言葉を持ち、それを他者に伝え受け入れさせること…