憧れの子と一緒の文化祭、でも。

 自分を少し客観的に見られるようになり、中の上にランクアップした瀬木成道が次に挑むイベントは文化祭だ。自分が活躍する場面を増やすため執事喫茶を主張するものの、圧倒的な反対に会い、結局はクラスの出し物はメイド喫茶に落ち着く。ただし何故か成道もメイド役をやることになってしまうのだが。
 憧れの瑞本絽美と一緒に文化祭を回れることになったものの、成道のじいちゃんである理事長の執拗な妨害活動に会い、成道の男としての評価は下がる一方。恵比寿莉子には激怒されてしまうし、妹尾雪奈との距離感もよく分からなくなってしまう。
 黒川との友情が深まるイベントはあるけれど、女子たちとの関係はどうなるのか?どんどん近付いていく分、誘惑はいっぱいだけれど選択肢の幅は狭まって行く。

 成道の突飛な行動は少なくなって、普通に人間関係に悩む少年の青春物語という感じに落ち着いてきた。色々なイベントを乗り越えて実はモテモテ状態になって来ているし、友情も深まって来る。すると逆に、ヴィーナス賞を取ると宣言してきたことが、彼の気持ちの純粋さを疑わせるような状況にもなって来る。
 さて、ここからどう巻き返しを図るのか。一発逆転、なんていう手はないと思うけどな。地道に地道に。

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長岡マキ子作品の書評