魔法と科学、最後の戦い

 リニエッジ機関が時詠みの追難の実行を決定し、咲耶を確保するために機関員が大倉耕介の前に現れる。しかし、彼らの行動は御崎涼子という少女により阻止される。彼女は、機関の起源である血撰斯界という組織から過去に分離したクランという組織に属していて、時詠みの追難阻止のために動いているという。
 そんな彼女を受け入れていると、探偵の須崎と瀬名が隔界にいるはずの磐長を連れて現れる。何故か彼らの事務所の前に落ちていたらしい。目を覚ました磐長に聞いてみても、彼女ははっきりとした理由を言わない。
 とりあえず、リニエッジ機関から守るため、野々村あすみの協力も得て咲耶と磐長を匿っていたのだが、事態は急変し、耕介は意識を失い、咲耶は囚われの身となってしまうのだった。

 時詠みの追難にまつわる争いの最終章。リニエッジ機関とクランをひっそりと操る意外な黒幕と耕介は対峙することとなる。その人物の思惑を排し、理想的な結末を導くことができるか?
 魔法・妖術・幻術に関する物語が描かれると同時に、耕介が笑顔を見せられなくなった過去の出来事が明らかになり、そして彼がそこから解放される筋道も描かれる。耕介の未来に、咲耶は、そしてあすみはどう関わっていくのか?そんな楽しみもあるかもしれない。

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内堀優一作品の書評