ルールが人を殺すとき

 義明たちが受験する偏郷大学医学部の受験会場で急病人が発生する。だが、大学病院までは距離が離れており、到着した救急車には救命士が乗っていない。気管内挿管をしなければ患者が死んでしまう状況で、ルールを守って見捨てるのか、あるいは法律を無視するのか。義明の下す判断は?
 いい加減で何も考えないようでいて、いざという時の決断力と自分の信念を曲げない姿勢は誰もが持っているものではない。医学部に入り、今度はどんな騒動を巻き起こすのか。

 法律や施行規則は現状に合わせてどんどん変えていかないと、本来は人を護るためのルールが人を殺すものに変貌してしまうというのが恐ろしい。

   bk1

   
   amazon

   

橋口たかし作品の書評