ただ決まっていることをなぞるだけなら、人間が悩む必要なんてない

 黒い幽霊が前面に出てきてからは少し控えていたパンドラが戦線に復帰。チルドレンが相手にしなければならない連中が一気に増えます。今までは皆本v.s.兵部の構図が多かったけれど、この巻ではバベルのエスパーv.s.パンドラのエスパーという構図が描かれます。皆本派と兵部派の対決という感じでしょうか。そして、蕾見管理官と兵部の邂逅。やはりこの二人は歴史がある分、ただ対峙していても深みがあります。
 物語に奥行きを与えているのが、意外にも扉の四コママンガ。本編では触れる暇がないエピソードが描かれたりもするので、本編でのキャラクターたちの行動に説得力が増します。四コマで変に暴れさせると世界観を台無しにしてしまう恐れもあるからバランスが難しいと思いますけれど、いまの所この試みは成功している気がします。

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椎名高志作品の書評/レビュー