自由に本を読むために戦う

 聖堂という中世の教会の様な国が教義の背く書物を焚く世界で、本好きで星導師という星の力を使う魔法使いの少年ジグウォルが、「万巻の書」という膨大な本を記録している精霊の少女レジィナと共に、「五賢七書」という星導術の本を求めて旅する物語。
 同出版社の前作「ライタークロイス」に比べ、主人公の性格は真面目少年からエロ少年へ変わり、主人公ははじめから強力な力を備えていて、物語を構成する対立軸も分かりやすいものになっている。だから、一読すると、本当に同じ作者なのかと感じるところがなくもない。とても器用なのだろう。
 今回は人物と能力を紹介する展開だったので、次巻以降で彼らが入り混じりながら対立し、ストーリーを進行させていくことだろう。

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川口士作品の書評/レビュー