ひとつの区切り

 上海から台湾へ。御木本を追い込む黒崎の仕掛けは続く。そして、二人の現状に違和感を覚えた神志名も台湾へと向かう。
 かつてと立場を逆転させ、狩り立てる側となった男と狩られる側となった男との対決の末路は帯に書かれている通り。ただその過程で黒崎は、神志名と会った時には強大なものに対する諦めに似た感情を吐露し、御木本と対峙した時には強烈な楔を心に打ち込まれる。

 表紙のイラストは、まるで黒崎のデスマスクのように見えなくもない。

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黒丸作品の書評