動き始める周辺

 統政庁に出向くユミィの随員の護衛任務に応募しようとするシェルティスたちだが、応募要件は4名のチームであること。不足の一人をうめるため、華宮の推薦によってヴァイエルという青年を臨時メンバーとすることにする。しかしこのヴァイエルは、怠惰で実力も不足しているようにしか見えない。
 応募者をふるい落とす予選はシェルティスの実力で突破したものの、最終選考試験はチーム力が要求される巡回任務。ヴァイエルに対する不満だけでなく、モニカの指揮力に対する不安や、他人と一緒に戦うことに慣れないシェルティスなど、課題点がいっぱい。果たしてこれらの課題を解決し、無事に護衛任務に着くことができるか。
 一方で、護衛の対象であるユミィは、謎の女性ツァリの導きによって氷結鏡界が張られる以前の世界の出来事を見せられていた。

 次巻の準備段階という感じなので、あまり派手な事件は起きない。ユミィとモニカが再会し、モニカとユミィがやきもきするくらい。
 全体としてヴァイエルの存在意義にはあまり納得できなかった。彼を護士候補生として雇う代わりに、もう少し安い給料で用務員でも雇えば済む。終盤でのヴァイエルと華宮のやりとりも、そう。練習で信頼できないヤツをいきなり実戦で信頼するなんて無謀だから、初めから勘定に入れないのは当然の扱いだと思うんだけどな。

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細音啓作品の書評