フリーライターが巻き込まれる世界的陰謀

 2020年2月14日。音信不通になった弟、明雄の自宅を訪ねたフリーライターの清水シュンジは、射殺体となった弟との再会を果たす。重要参考人として警察の取調べを受け解放された清水のもとに、弟の婚約者を名乗る美女、榊玲子が現れる。彼女からの情報を基に、自分にかけられた疑いを晴らすため、弟の勤めていた会社を訪ねた清水は、再び殺人事件に巻き込まれてしまう。
 自分が取材中の海上保安庁による臨検中の銃の暴発事故、記事を書いたアメリカ・ロシアを中心とする弾道ミサイル廃絶条約、横浜で出会ったロシア人の美少女、そして7年前に自分がアフガンで遭遇した事件。殺人事件や戦場に巻き込まれながら結びついていく出来事は、ひとつの陰謀を描き出す。

 2時間ドラマに登場しそうな事件に自分から首を突っ込む素人探偵と、スパイが絡む陰謀ものを合わせた様な物語。インテリジェンスものというには少し荒っぽい気がする。
 全てが終わってもスッキリしないのは現実っぽいけれど、それが物語を読む人に求められているのかはよく分からない。

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布施文章作品の書評