メンバーたちの心理的変化

 日本トップの衣料品流通企業アクアスの敵対的TOBを仕掛けた革命部と羽月莉音だったが、アクアス側へのホワイトナイト出現により、買収資金が厳しくなってくる。莉音は巳継を連れ、ジリヤに資金提供の依頼に向かう。そこで紹介されたのは、世界第二位の財閥スタインバーグの異才ローザだった。
 ようやく買収資金にメドがついた途端、マラリアを再発させ倒れてしまう莉音。唯我独尊で悩みも無い様に見える莉音に知れずプレッシャーがかかっていた事を知り、彼女の負担を少しでも減らすために、彼女の革命に真剣に取り組む決意を固める巳継、折原沙織や春日恒太たち。そして巳継は、一度完全に敗北したアクアス社長・立花勇二に再度対決を挑むことになる。

 泉堂柚、そして春日恒太を除いてイヤイヤ莉音に付き合っている雰囲気があったメンバーたちが、真剣に事業に取り組むことを決意する。沙織は人前に立つために努力するし、適当なことばかりを言っている様に見える恒太も、きっちりと地歩を固め始める。そして何より、革命部社長である巳継の心理的変化が大きい。
 いよいよ革命を見据え、防衛力獲得を目指した企業活動も開始され始めます。また、自分でビジネスを立ち上げ成功させている人に対する敬意や、莉音やローザの描く世界像も色々と考えさせられるところがあり、面白いと思います。

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至道流星作品の書評