ガガガ文庫

実家の歴史に翻弄される少女がまた一人

最高神の力を復活した母の月読呪々に預けて、ふつうの女子高生として生きようとするささみさん。しかしこれまでの引きこもり生活のせいもあり、二年生になってクラスがリセットされても、頼りになるのは邪神三姉妹の次女・かがみのみ。 そんなとき、とあるき…

生存競争に人間の感情をブレンドする

世界には様々な超能力者がいる。彼らは幼少期の頃に受けた刺激で能力を開花させ、精神的・肉体的ストレスによってそれを強化させていく。日本でも、新生児の4割は超能力者としての才能を持っている。特にその能力の強力化は、十四年前の二月二十五日に起きた…

死ねない少女が死にたい理由

語木璃一は、桜の木から吊り下げた荒縄の輪に首をかけ、自転車の荷台の上に立つ密森なゆたと出会う。誤解の仕様もない自殺の光景だ。ところが枝は折れ荒縄は切れ、自殺は失敗してしまう。なゆた曰く、百二十二回目の自殺の失敗。死のうとしても死ねないとい…

革命部の戦いの舞台は世界へ

不良債権を抱えて破綻寸前の日本商業銀行を買収し、現頭取を留任させて一歩引いた所から経営するはずが、春日恒太が暴走して頭取に就任してしまう。身内を守るため引くに引けなくなった羽月莉音と巳継は、実務を折原沙織に委ねて不良債権の実情を詳しく調査…

日本の巨大企業に挑む!

核兵器の開発に必要な精密機械を違和感なく手に入れるため、世界一の原子力企業ウェスタンユニオンを保有するエグゼスエレクトロニクスの買収に乗り出した羽月莉音と革命部。時価総額14兆円以上のEEを買収するための秘策とは? そして、EE買収を阻止するため…

メンバーたちの心理的変化

日本トップの衣料品流通企業アクアスの敵対的TOBを仕掛けた革命部と羽月莉音だったが、アクアス側へのホワイトナイト出現により、買収資金が厳しくなってくる。莉音は巳継を連れ、ジリヤに資金提供の依頼に向かう。そこで紹介されたのは、世界第二位の財…

のるかそるかの大博打

コスプレイヤーの写真撮影サポートというニッチな市場をターゲットにしていた株式会社革命部は、東証二部上場の速水半導体工業を傘下に納め、1to1カスタマイズの衣料流通システム「おりおんクローズ」の立ち上げを企画し、衣料流通のメインストリームに乗り…

使えるものは極力利用する

羽月巳継は青海大学附属高校の入学式の日に、同じ高校へ通う従姉の羽月莉音に自分の部活に入る様に命じられる。巳継と莉音は、幼なじみの折原沙織や春日恒太も含めて、子どもの頃から大胆ないたずらや遊びをして来た仲間なのだ。もっとも、冒険家の父・羽月…

成長が魅力を削ぐ残念さ

三日月卿事件で帝都治安維持局鬼灯機関司令の桜下屍人に借りを作った病葉久郎は、異能力犯罪者を収監した怪賊城の掃除番にかり出される。そこで再会したのは、かつては鬼灯機関の一員でありながら、帝都を火災地獄に叩き込んだ犯罪者、墓場影郎だった。 その…

その気もないのに抜いちゃった

超人的な体力を持つ姉タマキのおまけで、双子の弟ユウキは新大陸発見に赴く開拓船に乗り込むことになった。普通の人以下の体力しか持たないユウキだったが、出発前に立ち寄った王都で伝説の魔剣グラムを抜いてしまう。 誰にも見つからずにグラムを開拓船に持…

呪縛から逃れる解答

自分の身にとある現象が起きてしまったため、本気で引きこもったささみさん。天の岩戸を無理やりこじ開けようと、邪神三姉妹と神臣が突撃をします。行き着いた先で繰り広げられる不思議ワールド。そこで知る、ささみさんの覚悟とは? ささみさんの母が再登場…

明かされる真実、生まれ変わるとき

取り返しのつかない犠牲を払いながらも空族の侵攻を退け、癒しがたい悲しみから立ち直ろうとする学生たち。そんな中、戻ってこないクレアと偶然再会したカルエルは、自分たちの気持ちを自覚しながらも、衝撃の真実に気づく。 すれ違ったままの二人。もう戻ら…

周囲の声と自分の意思

売上の落ち込み、担当編集の交代などで迷いが生じる矢文学のところに、純文学作家としての再デビューのチャンスが訪れる。 同業者との交流の中で自分が何を書くべきか、ライトノベルとは何なのかという疑問を抱いてしまい、何を書きたいかも分からなくなって…

不器用な生き方

全国から優秀な学生を集めた学園都市の高校に入学した鮎見勇は、中学時代にサイドキックというロボット競技の大会で敗北し、心機一転、高校デビューを目指す。しかし、その高校で出会った知能科学の天才桐生静華と賭けをすることになり、結果として、サイド…

1冊で2度おいしい

前巻のアクションの流れを引き継いだ「忙しい夜」、ケイとティラナの日常を絡めて特別風紀班のメンバーたちを紹介する「10万ドルの恋人」を収録。 前者は吸血鬼と襲われる美女、暗躍する敵、ミラージュ・ゲートに関する謎と、正統派のアクションになっている…

緩急を織り交ぜたストーリー

15年前、太平洋上に出現したゲートにより、地球とレト・セマーニと呼ばれる異世界は結ばれた。レト・セマーニの文明は地球よりも数世紀遅れたものであり、その制圧は容易と思われたが、彼らは地球にはない術による魔法効果で兵器を強化し、若い文明らしい生…

現代風の怪人物

怪人二重面相が活躍していそうな世界観。 ほとんど無能な呪い師である病葉久郎は、オカルトによる帝都防衛を担う鬼灯機関の司令である桜下屍人の下僕としてこき使われていた。彼の狙いは、久郎の妹であり病葉呪術最高の使い手である夕日をして事件解決に充た…

それでももうちょっと

実はGJ部の正式部員ではなかったということが判明した四ノ宮京夜は、正式部員となるためにとある訓練を命じられる。 夏のお話なので合宿とかパジャマ・パーティーとか学校外の話もあるんだけれど、一体全体何があったんだと言いたくなる思わせぶりだけで終…

直列じゃなくて並列

たまたま部室の前を通ったら強制加入させられた高校一年生の四ノ宮京夜は、自分の所属するGJ部が何をするのか、いったい何と読むかも分からない。分からないのだけれど、毎日部室に行って、他のメンバー4人とのコミュニケーションを楽しんでいる。 ちっこ…

バランスがいま一つと感じた

今回は分量のバランスがいま一つだったのではないかと思う。第一話「呪われたゲーム」が約6割、第二話「ハクアの休日」と第三話「レイニー・ブルー・ストーリー」が約2割ずつ。しかも、最大の紙幅を取っていた第一話は、本物の悪霊が仕込まれたギャルゲー…

がんばった結果の苦しさ

「最高神のちから」を持ったまま、ふつうの女子高生として生きようとがんばるささみさん。でも、それは彼女の願いをかなえる方向で、周辺を勝手に改変するように動くので、思うようになるがゆえに思うままになりません。 そして、何となくうまくいっていたさ…

老探偵の活躍

知っている人ならばタイトルを見ただけで分かることかも知れないが、クトゥルフ神話のイタカを下敷きとして、孤高の私立探偵兼タクシードライヴァと、命を狙われている少女の逃避行を描いている。(ちなみにボクは、ラヴクラフトの書いたものしか読んだこと…

打算でも計算でもなく、ただまっしぐら

イトカ島にある私立イトカ島学園高校には、何か問題をおこすなどして本土の高校には通えなくなった生徒たちが流れ着く。褐葉貴人もそんな一人。中学時代に、覆面少女歌手クドリャフカに電波な内容のファンレターを大量に送りつけ、それを批判した彼女が干さ…

がんばらないのには理由がある

小説において三人称の描写を"神の視点"と表現することもあるけれど、まさにそれを意識した作品に思える。月読神臣という兄を中心に物語は進むのだけれど、兄を監視している妹の月読鎖々美の視点で描写される。日本神話を下敷きにした、ラブコメの雰囲気を持…

開戦

あとがきは無いので後ろから見ない方が良いという作者のコメントがついています。 聖泉まであとわずかというところで、イスラは言い伝えにある空の一族と遭遇する。 木造の旧式戦闘機を見て侮ったイスラ空挺騎士団団長レオポルド・メルセは、イスラにわずか…

物語がつなぐ青年と少女

純文学作家を目指して書生みたいな恰好をしている青年矢文学が、編集者の薦めでライトノベルを書いたら爆発的なヒットを生み、作中の舞台を巡礼に来ていた少女椎名明日葉に一目ぼれしてしまい、お近づきになろうとするのだが…という作品。 始まりと終わりが…

原作の雰囲気を残したまま、絶チルのオリジナル・ストーリーを展開

コミックのノベライズ成否の基準が原作の雰囲気を壊さないことにあるならば、この作品は完璧な成功例だろう。キャラクターに独自色を加えることなく、そうでありながらも、ただマンガを文章化しただけでは得られない深みが加わっている。 超度(レベル)7ク…