言いがかりの罵倒が快感に変わる?

 入学初日の校門前で、沖田善一は明華武瑠からドロップキックをくらい、鎖骨を折られてしまった。そんなことがあれば二度と関わろうと思わないのが普通だろうが、いまでは日々武瑠に虐げられながらも、毎朝お弁当を作ってあげるし、友だち作りまでサポートしてあげている。
 その努力の甲斐あって、白柳昂太や伊波未実と友だちになることに成功した。おかげで、それぞれちょっと変わったところはあるけれど、楽しい毎日が過ごせている。

 そんな友だち作り計画の今回のターゲットは、クラスメイトの内田杏子。武瑠と同様に目立つ容姿をしていながら、自己紹介でやらかした彼女は周囲から敬遠されぎみ。そんな状況を利用してアプローチを開始する善一だが、やはり一筋縄ではいかない。
 善一が罵倒され心を折られかけながらも、昂太や未実の努力もあって、なぜか善一の下僕化権利をかけた、武瑠と杏子の三本勝負が企画される。

 前半は善一の妄想パワー暴走気味の展開になる。ちょっとした一言から繰り広げられる妄想は芸術品。きっと彼ならどんな過酷な状況に置かれても妄想できることは間違いない。
 後半は二人の対決を中心とした妄想、そしてちょっとラブコメっぽい展開になって来る。

 武瑠の暴言暴力、杏子の罵倒、善一の妄想、そしてそこに彩りを添える昂太のおっぱい信仰と未実の腐女子ぷりという、ツッコミ過少のコメディが繰り広げられます。

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木野裕喜作品の書評