白泉社

縛られる気持ち/断ち切られる呪縛

名人戦七番勝負が終わると次の順位戦が始まる。同じC1級の桐山零と二階堂晴信だが、順位戦の対局は組まれず、その勝負は新人戦トーナメントの舞台となる。そして学校も新しい年度へと移り変わり、桐山や川本家の次女ひなたの学校生活にも変化が訪れる。 島…

主人公が脇役

てっきりもう続きは出版されないものと思っていたけれど、忘れた頃に続巻はやってきた。でも奥付を見ると、連載されていたのは平成12〜13年なので、新作というわけではないらしい。 倶梨伽羅の襲撃に備える幻想界の話と、黒崎家にかけられた呪いの話が並…

自分で追い詰めていく感覚

今回もまた一人こゆいキャラクターが加わった。 それはともかく、島田八段のタイトル戦。地元の期待を背負って子どもの頃から研鑽を積み、将棋以外の色んなものを取りこぼしながら、ようやく手に入れた挑戦者の権利。様々な想いをこめて渾身の一手を指すのだ…

焦り、怒り、嫉妬、全てを写す盤上の駒

とりあえず、後藤って棋士だったのか、と。前巻の、香子と一緒にいたときの描写からして、ヤから始まる職業の方だとばかり思っていました。その時の借りを盤上で返すべく、獅子王戦挑戦者決定トーナメントに挑む桐山零。しかし、その前に立ちふさがったのは…

傷つきながらも進んで行かなければならない

目標を見失ったため、負けが混み始めてしまった桐山零。しかし、高橋勇介、ひなたやモモ、そして二階堂晴信との関わりから、再び目標を見出す。しかしその直後、彼の前に幸田香子が現れる。特別な感情を抱く彼女からの悪魔のささやき。そして彼は、盤上だけ…

偶然の出会いがなければ今頃

「ハチミツとクローバー」で美大生の姿を描いた羽海野チカが今度描くのは、将棋のプロ棋士。交通事故で家族を亡くし、生きるために将棋を選んだ高校生、桐山零。もう何もなくさないように、全てを手放して生きようとしているように見える彼だが、偶然や将棋…