角川スニーカー文庫

恵比寿インパクト

憧れの絽美と同じグループで臨海学校に参加することになり、その他のメンバーにも恵まれ、順調に中の下から抜け出すロードに乗ったかに見える成道。しかし、彼の祖父がそんなに甘いはずもなく、臨海学校イベントのグループ対抗3本勝負には、有形無形の様々…

出番再び

カミラやジェシカが登場する短編が1本ずつ、猫とダリアンのお話、そして紅の読姫&教授にヒューイとダリアンが遭遇するお話と、断章が3本という構成になっている。これまでに登場した人物たちが再登場する話の割合が多いことと、時間軸に関するストーリー…

人間から離れた少年と、人間に近づこうとする少女

日課の夜のランニングの途中、学校で見慣れない少女の人影を見つけた神崎光輔は、不思議に思い彼女に近づく。そこにいたのは銀髪の少女と、岩の怪物。少女の手を引いて逃げようとした光輔は、岩の怪物に左胸を貫かれて意識を失う。 次に目覚めたのは少女の部…

各巻で面白く、かつ、次の展開の伏線にもなっている

八月九日水曜日。マクガフィンが欲しい、という突然の電話を受けた浅井ケイは、佐々野宏幸という人に会うために出向いていた。マクガフィンはただの黒い石にしか見えないが、それを手に入れたものは咲良田中の能力を支配できると言われており、彼はそれを利…

着々と物語が積み上がっていく

今回はカミラとダリアンのからみは無いけれど、代わりにジェシカという少女が準レギュラー候補として登場する。収録内容は以下の通り。第一話「間隙の書」:寄宿女子学校に潜んだ殺人鬼の話。ジェシカが登場。 第二話「幻曲」:幻のヴァイオリン・ソナタの楽…

暗い墓地の中にあっても明るい希望を失わない話

上官殺しの罪を着せられ、ムオル・リードという生来の名前を奪われた囚人五七七二号の少年は、世間から隔絶された共同墓地に連行される。そこで彼が科せられた労役は、墓穴掘り。しかしその穴は、人の死体を埋めるにはあまりにも大きい。 この場所に連れられ…

欠片の繋ぎ手たち

オイレンとスプライトが合流してシリーズ最終章に突入、とのことなのですが、視点的にはMPBサイドからの描写がほとんどなので、MSSサイドでどういう動きがあったのかが分からない。このため、最後の方になると特に、何でそんな展開になってんの!と叫びたく…

80点で得る幸せ

樫森高校v.s.桜川女子高の人間モノポリー対決の後半戦が開始される。自治体と高校の統廃合問題にもついに決着がつく。ゲームに勝敗はきっちりつくけれど、本当の意味での敗者は生まない終わり方になったんじゃないかな? この落とし所は地方自治体のレベルで…

それ自体に意味はなく、それが引き起こす行動に意味がある

見かけは三人称の文体なのだが、実際は浅井ケイと春埼美空、二人の高校生の視点で交互に語られている。 二人が住む咲良田は、一見するとただの沿岸の地方都市。ただ一点、住民の半数以上が超能力者だということを除くならば。そして、浅井ケイは全ての記憶を…

カードゲームみたいな陣取り合戦

地元高校の合併問題を、現役高校生同士の集団対戦の結果で決めるという設定のお話。前巻では男子校とのちゃんばら対決でしたが、今回は対戦相手が女子高ということもあり、体力勝負ではなく頭脳戦が中心。モデルは「水雷艦長」というゲーム。戦艦、駆逐、水…

閉じられた世界に開いた窓

この世にあらざるべき力を読み手に与える幻の本、幻書。この幻書を保管する役目を持つ伝説の図書館、ダンダリアンの書架を管理する黒衣の少女ダリアンと、その鍵守を務める青年ヒューイの活躍を描く作品。第1巻と同様に1話完結形式で物語は進んでいく。「荊…