コバルト文庫

あの二人の物語

剣島での洗礼の儀式を次の航海に控え、ランゾット・ギアス五等海尉は、オレンディアという娼婦の少女と出会う。父は死に母は病に倒れたという彼女に、あれことれ気を使うランゾット。 一方、ネイ・カーヴォイは、ランゾットを連れるトルヴァン・コーア六等海…

極限状況で現れる本質

傭兵たちが不在の隙をついて襲撃を受けたホルセーゼの村では、村を守る女たちが白刃の下に倒れていく。阿鼻叫喚の嵐の中で、ラクリゼはザカリア女神との契約によりザカールの力を取り戻す代わりに、腹の中の子を失う。 ラクリゼの奮闘によって全滅を免れたも…

安らぎのとき

サルベーンと共にザカールの外の世界へ旅立ったラクリゼは、サルベーンの勧めに従って傭兵王ホルセーゼの下を目指すことにする。しかし、ザカールにいた時と保護者と被保護者の立場が入れ替わり、プライドを傷つけられたと感じたラクリゼは、サルベーンと喧…

意外な父の姿

クナム(長老)の子は必ず男子であり、千人目のクナムは世界の王となるべく生まれてくるということがザカリア女神とザカールとの契約。それなのに、王の親となる998番目のクナムの子は、なぜか女子だった。 歴代のクナムと比較しても隔絶した力を幼少から…

子を産み国を育てる

バルアンと共にオラエン・ヤムに登りオルの許しを得るという立場になったカリエは、ヨギナ総督着任を命ぜられる。バルアンに信頼されているという事実はカリエをうれしく思わせるが、ナイヤが懐妊したことを考えると少し複雑な気分にもなる。一方、タイアー…