新潮社

自分に出来ることを利用して、自分には出来ないことも実現する

アメリカのホテルで研修中の涼子は、コンシェルジュとして自分の進むべき道を見出す。 全ての人がデキる誰かと同じ様に出来る訳ではない。ある意味では哀しい現実の中で、涼子が見出したのは、自分にできないことはできる人にお願いする。そしてそのためには…

新たな旅立ちへ

最終巻。残念ながらカレーム・ドール本選の戦いが描かれることはない。まとめるためのちょっとしたイベントがあって、くるみには新たな舞台が与えられる。 サブタイトルとは違う方向に行ってしまった時点から、本来のターゲットを見失っていたのかも知れない…

一人のための物語でありながら、全ての読者ために書かれた物語でもある

同名アンソロジーの雑誌&文庫に収録されていた著者の同名作品を抜粋してSide.Aとし、同じテーマの書き下ろしをSide.Bとして収録した作品。 Side.Aは、ひっそりと物語を書き溜めながらも翼を折られていたために飛べなかった女性が、一人の男性と出会い再び翼…

鬼塚がスゴイ

日本とアメリカのサービスの考え方の違いを自分一人で吸収しようと奮闘する涼子。彼女の方法論は、一部で他の人にも良い影響を与え、でも届かない部分もある。そんな彼女の下へ強力な助っ人が訪れる。 一方日本では、鬼塚と有明の関係に変化が見え始める。な…

キャラクターで勝負?

B級グルメに取り組んだのも無駄じゃなかったんだよ、という話があって上海へ。圧倒的アウェーの中でくるみとシェリはどう戦うのか? 久しぶりに首相がちょっとだけ出て来た。そして、大沢師匠も登場。 bk1 amazon 西村ミツル作品の書評

伝染していく涼子の奮闘

8割がアメリカ編。涼子がこれまでに学んできたことをアメリカで実践しながら、アメリカとの文化の違いに戸惑いつつも、お客さまの信頼を得ていく。そして、涼子のいない日本でも、少し変化が起きていた。 日本で起きる事件は最近の傾向どおりビジネス教訓も…

中心の置き所

カレーム・ドール国内予選決勝はあっさりと終了し、日本国内巡業の旅に戻るくるみとシェリ。到着した横手でB−1グランプリに出場することになる。横手やきそば、八戸せんべい汁など、強豪ひしめく会場で、くるみとシェリの繰り出すB−1グルメとは? シェリ…

いつもと違う面もあれば、同じ面もある

人によってそれぞれ好みの程度はあれど、どのお話も面白く読めるのではないでしょうか。 沢木耕太郎『マリーとメアリー』は、ブラッディ・マリーというカクテルを軸にしながら舞台を転々とさせるエッセイ。 伊坂幸太郎『合コンの話』は、最初に二行あらすじ…

全力で突っ走りギリギリでかわす

成南電機工科大学機械制御研究部を略して機研、あるいは危険人物に率いられているからキケン。一芸に秀でたような連中が、その専門性を駆使して本気で遊ぶとかなりすごいことも平気でやっちゃうよ、というお話。 社会人になった部員が昔話を妻にする、という…

今後はどちらを追いかけるの?

今回は涼子に関して強烈なテコ入れが入っていますね。彼女のコンシェルジュとしての師匠も、最上から朝霧に移り変わったみたいですし。女性としてのよさをもっと出したサービスを、という方向性を選択したのでしょう。 作品は、当初の、コンシェルジュの魔法…

日本美味しいものめぐり

時事政治ネタから離れて、料理大会に勝つという筋が通ったことにより、全国各地食材巡りの様な寄り道をいっぱい入れても、物語の芯がぶれなくなった様に思う。やはりストーリーは一本筋が通っていないと、まとまりがつかなくなる。 政治から離れた結果、官邸…

ちょっといい話(ビジネス編)

第109話は最上の休日編。だが、一人で休日を過ごす話ではない。最上の良さは他人とのコミュニケーションの中に見えるものだから、一人で過ごす姿は、あまり想像できなかったのでしょうね。もしあの悲劇がなければ、自分の子供にあんな話をする日が来たのでし…

まわりだす世界

最近は携帯電話のサービスにもあるので一般化した感があるけれど、この作品が連載開始された当時はそれほど一般的な用語でもなかったコンシェルジュ。高級ホテルにあって、宿泊客に対して現地の隠れた情報への扉を開ける鍵として機能する人々で、客からの要…