集英社

変貌を促す一言

願望と行動の間には大きな隔たりがある。特に、その願望が周囲とは違うという自覚があればなおさらだ。今回は、そういった行動に移されないはずの願望を後押しするキャラクターが登場する。 そうして引き起こされる事件の数々。それらはいかにして四ツ谷先輩…

1枚の絵が伝えるもの

藤麓介の実家の事情を描いたエピソードや、ハデス先生の友人である鈍や経一たちの職業を描くエピソードなどを収録。 個人的には、藤くんの兄の過去の一幕を描いた扉絵が好き。これ1枚で、当時の楽しさや反面の葛藤なんかが感じられる気がする。 bk1 amazon …

悔しさと嬉しさがないまぜになった気持ち

一抹の不安を抱きながらもギャグマンガで編集会議に臨む最高と秋人。だが同じ編集会議には、岩瀬もネームを回していた。そして、その作画には強力な人物が参加していた。 マンガがエンターテインメントである以上、読者を意識した誌面作りは必要。そして、作…

色々取り混ぜての総力戦

紳士組の日野家居候、魔女カナリーナのお宅訪問を経て、組織の本部が本格的に動き出す。 組織のボスの手によって拉致されたリリエンタールを救出するため、シュバイン、神堂と共に旅立つ日野家の面々。着いた先にあったのは、リリエンタールと起源を同じくす…

お客を呼ぶ人のつながり

お客を呼ぶ人のつながりが裏のキーワードになっているように感じる。 その連鎖は良い客も呼べば、あまり好ましくない客も呼ぶ。しかし、どんな客にもふさわしいサービスはあるはず、と思い見つけようとする姿勢が必要なのだろう。 bk1 amazon 城アラキ作品の…

ようやく戻ってきたけれど

ようやくケヴィン・ヤマガタの生きる時代に戻って来て、リー・ハーヴェイ・オズワルドの物語が始まる。 歴史上、コウモリに人生を左右されてきた人物たちのように、ケヴィンもつぶされるのか。あるいはコウモリの予言の力を超えていくのか。 物語は動き出し…

あぶりだされる事件

友人の弥生ヒナノがある日突然消えた。中島真は自分たちの通う学校で伝説と化している四ツ谷先輩の協力を得ようとする。四ツ谷文太郎は最恐の怪談を紡ぐため、学校に留年し続けている先輩だ。 四ツ谷先輩の指令に従って、学校中に怪談の種を蒔いていく真の目…

ジャンプにはあまりない傾向の作品

高校生プロカメラマン真田映を主人公とする作品。彼はシャッターアイという、一度見たものを写真に写すように記憶する眼を持っていて、常に片目を団体で覆っている。 こう書くとビジュアル的には恰好良いようにも思えるけれど、その行動が少し常軌を逸してい…

ジェネシス再び

前巻から続いているお話は除くとして、本巻はギャグよりのお話が続く。懐かしのジェネシス再登場や、ぺロキャンにまつわるヒメコの壊れっぷり、椿をいじるお話などだ。 ただ、そういった何でもない話の中にも、次への伏線が仕込まれていたりすることもあるか…

兄の実力

ひょうひょうとして容易につかませない兄が、少しだけキリッとしたところを見せる第3巻です。兄をライバル視する新堂令一郎とオリガから成る新堂組が、リリエンタールを狙ってきます。 2巻から続いている「あんこくまじん」編も完結。てつこの問題は解決し…

シチュエーションに合わせた生地選び

クラリッサの生地探しも終盤に入る。彼女の修業につき合っているうちに、ラウラのユウに対するライバル魂が再燃し、高級生地を使って自分の腕を見せつけようとするのだが、それがジラソーレに思わぬピンチを招いてしまう。 単に高ければ良いという訳ではなく…

一つの目的に向かって

京都の入口にようやくたどり着いたリクオ率いる百鬼たちは、打倒した白蔵主の助言に従い、第一の封印である伏目稲荷の地に向かう。その頃、十三代目秀元の導きにより、花開院の陰陽師たちも伏目稲荷に向かっていた。 人間と妖怪、双方が集まる場所に降りたつ…

研究所潜入作戦

グリゴリ実験体の脳内に埋め込まれたナノマシンチップを利用してW.I.S.E.を止めるため、陸上自衛隊が厳重に警備網を敷く研究所へ潜入を試みる八雲祭と夜科アゲハ、バックアップの雨宮桜子。 通常戦力を一蹴していく二人だが、そこには思わぬ妨害が入る。そし…

覆面の下の素顔

次なる対決は、旧破壊臣阿久根高貴と名瀬&古賀コンビ。黒神真黒の変態性が発揮される中、暴かれる名瀬の覆面の下から現れる素顔とは。 中学時代の話を織り交ぜながら、現在へのつながりが語られる。 bk1 amazon 暁月あきら作品の書評

役割分担によるバランス

滝丸やマッチと美食會支部長の対決が決着。トリコと副料理長の対決は佳境へ。 一方、グルメショーウィンドーにたどり着いた小松が見た衝撃の光景とは? バトルシーンはトリコ側で、ギャグシーンは小松側でという役割分担になっている。 bk1 amazon 島袋光年…

部活の面を強調したストーリー展開

圧倒的な強さを見せた名人周防久志。その強さに対する反応は、奮起や諦念など様々だ。新は同じ舞台に立とうとする強い意志を見せ、千早は名人の能力に圧倒されかける。そんな彼女にやる気を取り戻させるのは、普段はあまり目立たないあの人なのだ。 そして学…

みんな一緒に転校

魔界で遭難した男鹿たちは、帰還するために必要なアランドロンの娘アンジェリカを救出するため、盗賊たちの住む街に向かう。そこで彼らは、ベル坊を敵視する実力者と出会う。 男鹿と東条の対決によって崩壊した校舎が修復されるまでの間、分散して他校に受け…

中学生の世界だからこそ起きる騒動

面倒を避けて誰も関わろうとしてくれないハデス先生に対して、藤たちの担任でもある才崎美徳先生が真っ向勝負を挑むのだけれど、一方は熱血で空回り気味、他方はわが道を行く奇行の連続で全くかみ合わない。そんな状況とは全く関係なく、生徒たちのささやか…

イノセンスに振り回されたエクソシストの悲哀

ノア一族により制圧されたサード・エクソシスト研究の中心地。そこに隠されていた神田ユウの同類アルマを覚醒させるため、ワイズリーは神田ユウを過去の記憶の中に送り込む。それに巻き込まれたアレンが知るセカンド・エクソシスト生誕にまつわる忌まわしい…

慈悲なき戦争

ニコラの抱える秘密を追ってたどり着いたスカイタルカス。そこは宗教戦争の最前線の町だった。そこで、ビートの師匠ジョエル・バーンズと出会ったホープは、父ピース・エマーソンの過去を知らされる。 一方、ニコラの抱える秘密を打ち明けられたミクシーは、…

サポート役のヒーロー

鏑木真哉と周囲の人物が物語の中心にいるため、アクション多めのストーリーになっている。その合間合間で様々なパターンのストーリーが入るので、色々と試行錯誤している感じがする。 でもやっぱり、先生よりも生徒が中心になっていることは変わらない。大人…

ゆっくりと伝わっていく

人間の心の弱さや負の感情を糧にして活動する「病魔」に罹る中学生と、それを喰らい尽くす力を持つ養護教諭の交流を描く物語。1巻は、外見がホラーなため生徒に避けられる養護教諭、派出須逸人が、病魔に罹った生徒を助けていくことにより、少しずつ周囲に…

様々な紳士服地

不況の影響で高級生地が売れなくなったロンドンのクラリッサが、新たな生地を探しにナポリを来訪する。そこで織部の仕事ぶりを見た彼女は彼に内弟子入りを志願、それを知ったラウラやパリのエレナが乱入してちょっとした騒動に発展する。 ラウラやセルジュの…

良い仲間、良いサービス

周囲の人の協力や良い仲間が見つかったことで、順調に営業するカナのワイン・バー。でも、時々はトラブルも起きる。 良いお客さんに良いサービスを提供するのは当たり前、嫌なお客さんにどんなサービスを提供するのか。そこが腕の見せ所かもしれない。 bk1 a…

積み重なる想い

ボンゴレ守護者&ヴァリアーと真6弔花の均衡も白蘭の切り札によって崩れ、ユニを狙う白蘭の思い通りの展開になっていく。しかしピンチが訪れたとき、ボンゴレリングにある変化が現れる。 ツナが危険に飛び込もうとするときに、ハルや京子がさびしさとかをグ…

この巻の主役はあなたしかいません

蒼樹さんっ、という称賛の叫びと、中井〜という罵声が聞こえて来そうな8巻。ここに岩瀬が絡んできたことで、高木と、そして連鎖的に真城までピンチに陥ってしまう。 若手作家たちが、漫画や人生のピンチに立ち向かいつつ、夢をかなえるために全力疾走する中…

スープまでの極寒の道のり

極寒の大地で三度繰り広げられる、トリコと美食會副料理長の対決。その下では、あの髪型の男が、グルメショーウィンドーを目指してラクラク進むゾンゲと遭遇していた。 美味しいご飯を食べるまでの道のりが遠すぎる。 bk1 amazon 島袋光年作品の書評

影虎とジュナスの対決

天戯弥勒の痕跡を求めて、彼が幼少期を過ごした児童養護施設を訪れる雹堂影虎と夢路晴彦、東雲嵐の3人だが、既に記録は処分されていた。そして、それをこなしたジュナスの姿が。雹堂とジュナスの対決が始まる。 一方、天戯弥勒も新たな仲間を求め、闘いを繰…

選ばれるのではなく選び取るとき

自分が幸せになる裏では誰かが傷つくことを回避できないのかもしれない。逆に、誰も傷つかないように選択を重ねていたら自分は幸せになれないのかもしれない。 相手から切り出してくれれば楽かもしれないけれど、そんなことはあり得ないので、いずれ駒井は誰…

学校から外へ

東条との勝負も決着。幕間に邦枝葵メガネバージョンとのストーリー。そしてまた新たな展開へ。 bk1 amazon 田村隆平作品の書評