電撃文庫

小学生女子の日常?

電撃文庫MAGAZINEに掲載の短編2本と、書き下ろしの掌編&短編が収録されています: 湊智花の母親、花織さんが長谷川家を訪問した際の騒動を描く「智花のいちごサンデー」。 昴を何とか振り向かせようと口実を作って自分の部屋に呼ぶ葵の姿を描く「葵のぷち…

ネガ・ネビュラス解散の謎が明かされる

ハルユキは、ヘルメス・コード縦走レースの最中に起こった戦いの中で、赤の王スカーレット・レインの手により消滅させられたはずの災禍の鎧を呼び戻してしまった。この状況を打破するため開かれた純色の七王による会議の結論は、7日以内に災禍の鎧を浄化す…

普通の世界に加えるスパイス

作品全体としての完成度が高いかというと必ずしもそういう訳ではなくて、慣用句の使い方や言い回しも含めて、今後の成長の余地はあると思う。ただし、サブキャラを通じた緩急の使い分けと、その結果として主人公たちの間に生まれる空気感を読者に感じさせる…

どこにでもある気持ちと、どこにもいないキャラクター

初めての一人暮らしで不安を感じる多田万里が初めて友達になったのは、柳澤光央という男。彼は有名エスカレータ式学校の生徒だったのだけれど、わざわざ外部受験して万里と同じ大学に入学した。その理由は大量の薔薇の花束と共に現れる。 そこにいたのは、ブ…

商人たちが起こす革命

ミューリ傭兵団に会うために、ロレンスとホロはレスコを訪れる。そこにはデバウ商会が集めた傭兵団が多く集いながらも、戦争を控えた荒んだ雰囲気とは正反対の、活気に満ちた人々で溢れていた。 ホロとミューリ傭兵団の団長との出会い、ロレンスの足を止めた…

これまでの伏線が結実したストーリー

マコトにとって青春ポイントの大量獲得を目指す文化祭が始まる。前野さんを手伝い、リュウシさんと校内を巡り、噂で聞いていた人を目撃し、という感じで過ごしている間に、こっそりと文化祭を訪れていたエリオは、過去の自分が残したものを感じたり、嬉しい…

科学者の戦争責任とラブコメ

夜間戦闘飛行の巧者で敵からも狐と呼ばれるクラウゼ・シュナウファー中尉は、ある日、惰性と義務で続ける戦闘飛行から帰還した途端、本国へ召還される。帰国した先で待っていたのは、親衛隊少佐で元主家の令嬢であり、子どもの頃からの姉貴分であった、イン…

妖怪なのにほんわかコメディ

妖怪や幽霊が主人公なので怪談と呼んでも良いのかも知れないが、ちっとも怖くはない。やたらと可愛らしい妖怪や、ポジティブな幽霊が登場する短編集。 表題作の「隙間女(幅広)」は、単に狭いところ好きとしか思えない程度の隙間に潜む妖怪少女と、ぽっちゃ…

何か疲れる

五秋家に誤って届けられたロボメイドに餌付けしていたら、製作者の変態が出てきてさあ大変、というお話。記号が多用されていたり、意味のない文字が羅列されていたりで、読むのに疲れた。途中、何度投げ出そうと思ったことか。 1巻は、まだ軸となるストーリ…

反撃の狼煙が上がる

霧間凪の母親の代から準備した策略により、氷の魔女アルケスティスは炎の魔女ヴァルプルギスを封印することに成功した。これにより傷を負った凪は、九連内朱巳の助けも受けながら、ビートたちの手によって救出される。 凪を助けるために統和機構の情報を利用…

中身が男の女子を男子が見たら

ホーライ会のメンバーとなり元の時間へ帰る権利を得たミムラだが、オリンピアやニコなど、魔法学校に心残りが出来てしまい、なかなか戻る決心が出来ない。そうこうしているうちに、オリンピアを中傷するメモが回されたり、盗難事件が起きたりして、ミムラと…

似たもの同士のふたり

四天竜の行方を調べるために学術都市に向かうアンジュとレックス、そしてトモエの前に現れたのは、レックスの姉のレムリアだった。学術都市の要職を占める彼女は、弟子でありレックスの幼なじみでもあるウェルチとの勝負をアンジュに提案する。 ウェルチの言…

19世紀英国風ファンタジー

19世紀のイギリスの様な舞台設定。煉獄と名付けた違う世界から様々な物質を引き出す煉術が発展しつつある世界。本来なら第一王女として表舞台に立てるはずだったアルテミシアは、その身の内に煉獄への扉を宿し、そこから染み出す毒気により周囲の生物をし…

揃いつつある対抗手段

フィアンマを中心とする争いはまだ解決しないので、お話としては次巻に続いています。 上条当麻はもちろんのこと、アクセラレータや浜面仕上、アックアやステイル・マグヌス、御坂美琴たちがバラバラに動きながらも、結果としては同じ方向に向かうという構成…

近いからこそより傷つく

夏休みが終わり二学期が始まる。文化祭の準備に向けて学校が動き始めた頃、ましろの友人リタ・エインズワースがさくら荘を訪れ、ましろをイギリスへ連れ戻そうとする。 ましろの才能の凄まじさを第三者の口から改めて知らされた空太は、ましろを引きとめるべ…

切り伏せるだけでは済まない問題

体力も完全に回復し、桐ケ谷和人や結城明日奈には平穏な生活が訪れていた。そんなある日、キリトは、アスナ捜索に協力してくれた、総務省の菊岡に呼び出される。仮想世界から現実世界への影響を調べている菊岡は、ゲーム内での銃撃が現実の死を引き起こすと…

彼らの人生はまだまだ続く

篤志の問題はとりあえず解決したけれど、サイドストーリーまでは手が回らなかったという感じ。貞教の方も解決には程遠いようだし。 せっかく登場させたのだから、もう少しいろいろな人間関係を整理する余裕があればもっと良かったとは思う。 また、敵方の扱…

様々な悩みと決断

神崎栞は実家に頼らず守屋篤志を守る実力を得るために家を出た。菱緒や大牟田、海洋研のメンバーなどは自分の仕事をしながらも最大限に篤志のバックアップをしてくれる。 しかし、世界を代表する力はそれらの力を粉砕する規模で包囲網を狭め始める。そして、…

人々を翻弄する潮流

乗船の爆破により海を漂流することになった守屋篤志と五乃坂雄平を救助すべく動こうとする大牟田たちだったが、何ものかの妨害により、当局による救助活動は打ち切りとなってしまう。加えて、救助に必要な情報端末は全滅させられ、船の手配もつかない。 篤志…

海洋のレイスハンターとの出会い

大牟田の事務所のインターンとしてマレー半島へとやって来た篤志、栞、貞教の3名は、無事に陸上での採集を終え、三者三様の行動を取る。篤志は大牟田について海洋での採集へ、栞は医師団のボランティアへ、そして貞教は父親の影を追う。 同じ頃、付近の海上…

奇跡の均衡を崩すもの

試験を受けるために特例として東北の大学に出向くことを許可された篤志と栞は、貞教と共に神と呼ばれる巨大変異種の棲む山に挑む。 彼らの緊張感とは裏腹に、試験場に隣接したスキー場では、篤志の幼なじみの美幸や、同じ研究室の先輩菱緒とその天敵館森清香…

対等な関係と役割分担

武原郷事件の影響により大学で実戦訓練が行えなくなった守屋篤志は、害獣駆除のボランティアに参加して実戦勘を鈍らせないようにしようとする。その噂を聞いた神崎栞も一緒にボランティアに参加することになる。 彼ら二人も含めて6人で構成されるチームメン…

認識の相違をキーワードにしてSF展開に進む

自分以外の生き物が全てロボットに見える、ロボットと人間の区別がつかないという少女、毬井紫と友人になった少女、波濤学は、ゆかりの友人でありながら彼女に憎悪を抱いている少女、天条七美と反発したり近づいたりしながら、普通の学校生活を送っていた。 …

描写が設定に深みを持たせる

24年前に突然発生しTDHと名付けられたレトロウィルスは、致死率こそエボラ出血熱等に比べれば低いものの、後天的に遺伝子を変異させるという特徴を持っていた。つまり、人間の形質を他種に変化させるのだ。 変化のサイクルが非常に短く、多様性に富んだT…

おバカな掛け合い

舞台は「電波女と青春男」とリンクしている。彼らと同じ学校に通っている、高校二年生の黄鶏(かしわ)くんと、19歳の高校一年生多摩湖さんのカップルイベント集。 学校や家や旅館で繰り広げられるのは、多摩湖さんが徹夜で考えて来たカードゲームと称する…

バンド結成の裏で

茶子先生の思いつきで、ケーキにつられた木乃たちはバンドを結成、大会を目指す。普通のバンド話かと思いきや、その裏では茶子先生が暗躍し、アイドル歌手や変な黒服たちが関係してきて…。 魔物との戦いもあるけれど、今回はそれよりも学園の生徒が物語の中…

アイドルと素人の出会い

タコはスルーかよっ!、とツッコんでみる。 アニメの原作者と勘違いされてラジオのパーソナリティをやることになってしまった高校生常村良人は、家に帰って再び驚く。隣に引っ越してきたのは、先ほどスタジオで一緒に収録した、アイドル声優の音無まどか一家…

もがいて浮きあがろうとする物語

生まれてくる子供たちが感情を制御できない先天的特質を備えるようになって20年ほどが過ぎた。子供たちは自分で適合サプリと呼ばれる薬を調合しし、それを服用することで感情を制御する。 サプリとは脳内麻薬を調整する薬だ。つまり、実質的に麻薬に等しい…

自分の目で見て自分の頭で考える

世界の全てを表現した一枚の絵、智慧の樹。この絵に描かれたものは、世界の変化を写す様に絶えず変わり続ける。そして、描かれたものを描きかえれば、世界も変化してしまう。 そんな一枚の絵から生まれたミネルヴァ、天乃理に梟として見出された森本慧は、高…

希望的観測と幸運の焦点

皇伏龍の策も見切って兵を伏せ、3万の軍勢で侘瑠徒包囲網を敷き終えた沢樹延銘率いる帝国緑軍は、攻城兵器の準備も完了して、外見上は圧倒的優位に立っていた。ただ、その内部には食料不足という大きな不安を抱えていて、士気に影響を及ぼしかねない。 一方…